【導入事例・シナジー・ソリューションズ株式会社様】どんな環境でも社員の成長を止めないために。H¹Tを活用した「チーム制のオンサイト勤務」とは
H¹Tを利用する企業さまに、導入に至った背景や使い心地について聞いていきます。今回はソフトウェア開発を行っているシナジー・ソリューションズ株式会社取締役 総合管理部長の岡田浩さんにお話を伺いました。
まず御社の事業概要について教えてください。
岡田:はい。シナジー・ソリューションズは、ソフトウェアの開発を行うIT企業です。事業内容としては大きく3つに分かれています。1つ目はビジネス活動から得られるデータを収集、保存、分析するビジネスインテリジェンス。2つ目は、ETLと呼ばれるデータ統合時に発生する各システム間の連携。それからSAPの外部インターフェイスである「フィオリ」をお客様のリクエストに応じて構築する、というものです。シナジー・ソリューションズは、設立から6年のスタートアップ企業で、社員も50名ほどの小さな会社です。そのうち開発メンバーが43名で、ほとんどの社員がシステム開発に携わっているといった状況です。
コロナ禍で痛感したオンサイトの重要性
新型コロナウイルス感染症拡大に伴って働き方に変化はありましたか?
岡田:当社はSES(システムエンジニアリングサービス)というシステム開発形態をとっており、社員がお客さま先に常駐し業務を行っていました。しかし新型コロナウイルスの感染拡大により、お客さまはテレワークに移行。当然常駐している弊社の社員もテレワークをすることになり、在宅勤務を開始しました。しかし、そうしたなかで大きく2つの問題が出てきたんです。
1つは新入社員への教育です。普段であれば先輩社員と新入社員の席を並べて、新入社員が困っていないか、業務でつまづいていないか様子を見て適宜声掛けをしてもらっていました。しかし新型コロナウイルスの流行に伴い、すべてテレワークに移行。先輩社員と新入社員のコミュニケーションが激減したんです。そんななか、新入社員と話していたら、「今後どうやって成長していくんでしょうか」と不安の声がポロっとこぼれて…。彼らの成長を止めないためにも何か施策を打つ必要があると感じましたね。
もう1つは社員のメンタル不調です。システム開発という仕事は、想像以上に人と綿密にコミュニケーションを取りながら行う必要があります。オンサイトのコミュニケーションとは違い、テレワークでは相手の状況や表情がわかりません。ちょっとした質問を投げかけるのも躊躇してしまい、自分でなんとかしなくてはと一人で抱え込み作業の進捗が悪くなる社員が出てきました。ほかにも、仕事の悩みを誰にも相談できず、自分の努力が足りないんだと自分を追い込む社員も見受けられるようになったんです。
2つの課題に対し、どんな施策を行ったのでしょうか?
岡田:まずは、テレワーク環境でも楽にコミュニケーションを取れる環境が作れないかと、全社のテレワークミーティングを月に1度開催したり、部門ごとにテレワーク飲み会を企画したりしました。しかし、社員の発言は増えるどころか、どんどん少なくなっていくんです。これはまずいと思いましたね。
そこで感染対策を行いながら、人数を絞り自社で業務を行うことを決めました。プロジェクトごとに出勤日を割り当て、集まって作業ができる環境を用意することにしたんです。
しかし、それまで開発メンバーはお客さま先で業務を行っていたため、自社オフィス内ではスペースが足りません。自社オフィスが入居しているビルの空き部屋を借りて、オフィスを増床することを決めました。でも、オフィスが使えるようになるのは半年以上も後。その間を埋めるようなサービスはないかと、シェアオフィスを探し始めました。
そこでH¹Tを知っていただいたんですね。
岡田:はい、弊社のオフィスが入居しているビルにH¹Tがあることを知り、これはいいぞと。早速問い合わせて、利用することにしました。2020年9月頃からH¹Tを利用し、オンサイト環境での業務を開始することができました。
チーム制のオンサイト勤務で新入社員の教育を行う
H¹Tをお選びいただいた背景についてもう少し詳しく伺えますか。
岡田:まずは立地です。先ほど申し上げたように、弊社が入居しているビルの中に、H¹T市ヶ谷があったということ。弊社には社員が50人いますが、住んでいるところはバラバラ。それぞれの自宅から集まるのに、本社と同じ場所だったらちょうどいいだろう、と考えました。
もう一つ大きかったのは、利用時間の融通がきいたことですね。先ほどお話した通り、プロジェクトごとにチームを組成して、各チーム日替わりで会議室に集まり仕事をさせることにしたので、毎日会議室を2部屋使いたいとお願いしました。他の利用者もいるなかでそれは困るよ、と言われてしまうかと思いきや、H¹Tの営業担当の方からそれでも問題ないといっていただいたんです。柔軟に対応いただき、本当に助かりましたね。
H¹Tでチーム制のオンサイト勤務を始めて、新人教育や社員のメンタル面に変化はありましたか?
岡田:とくに新入社員からは、評判がいいですね。分からないことがあるときに、横にいる先輩にすぐ質問ができたり、逆に先輩から声をかけてもらえたり、解決までの時間が非常に短いのが嬉しいと。さらに、その積み重ねが成長実感に繋がっていると言ってくれています。これはオンサイトでのコミュニケーションに切り替えた1つの成果だと感じています。
H¹Tを実際に利用してよかったと思うことについて教えてください。
岡田:そうですね、設備も新しくて非常に綺麗ですし、毎日掃除もしていただけてるので、快適に利用できています。コーヒーベンダーが利用できるのも社員から好評です。あとは、鍵の受け渡しをする必要なく運用が楽でいいですね。Suicaを鍵代わりにできるのも便利です。
セキュリティ面でも、会議室は社員しかいない仕切られた空間なので安心です。さらに質の高いネットワーク環境が整備されていたことで、システム開発を行っても遅延や断絶がなくスムーズに行えたことも弊社としては助かりました。
どんな環境でも成長を止めないために
テレワーク中心の働き方に移行する企業が増えています。岡田さんはコロナ禍の働き方についてどのようにお考えですか?
岡田:メンタルケアが自分でできて、業務もこなせる人であればテレワーク中心でまったく問題ないと思うんですよ。でも、そんな人ばかりではありません。
若い社員たちは小さい頃からITに慣れ親しんでいるので、テレワークコミュニケーションをベースとした人間関係の構築には長けていると思います。でもビジネスのコミュニケーションとなると、話が違うわけですよ。質問するタイミングを迷ったり、あるいは、連絡くるのを待ってしまったり。
それならビジネスのコミュニケーションを理解しているベテラン社員が、積極的にテレワークでコミュニケーションを取ればいいじゃないかと思うわけですが、そうもいきません。テレワークコミュニケーションが得意ではないベテラン社員が少なくないのです。
社員たちが本当に成長できるのか、きちんと職務を果たせるのか、そのためにはどんな働き方がベストなのか考えています。いまの私たちには出社と在宅勤務を併用するのが最善なのではないでしょうか。
今後のオフィス戦略についてのお考えについてお聞かせください。
岡田:企業の成長は社員の成長と比例すると考えています。だからこそ、社員が数年後、今よりもできることが増えている状況をつくる必要がある。そのためにどんなオフィス環境が必要なのか、正直答えは見つかっていません。
今はお客さまからのリクエストに答えテレワークを行いながら、とくに教育機会が必要な新入社員やメンタル面で不安を抱えているエンジニアのケアをオンサイトで行っています。オフィスの増床スペースが、2021年3月にやっと使えるようになるので、今よりも多くのメンバーに集まって仕事をする場を提供できると考えています。
今後はテレワークでのビジネスコミュニケーションのあり方もどんどん進化していって、自社に集まる必要もなくなるかもしれない。いずれにしても社会環境の変化を注視して、対応していくことになると思います。
ありがとうございました。